SPGアメックスの絶大な効果については、こちらの記事等でこれまでお伝えしてきたとおりです。


 
しかし、一方で、SPGアメックスの絶大な効果が2018年で終わるであろうことも、こちらの記事等でこれまでお伝えしてきたとおりです。

 
というのも、SPGアメックスSPGゴールドマリオットゴールド、という超絶お得なステータスマッチって、どう見てもおかしいんです。
なぜかと言うと、本来、SPGゴールドって、SPGに10滞在すればもらえる資格なのですが、マリオットにステータスマッチすることによりマリオットゴールド(マリオットに50泊しなければもらえない資格)をもらえるというのは、やはりやり過ぎなんです。
なので、2018年でこのベネフィットは終わるであろうと、私は予想しています。
 
ところが、これを先取りするかのような「事件」が起きました。
 




 

 1. 「事件」とは何か。

 
詳しくは、こちらの記事をご覧下さい。


 
twitterでも交流させてもらっているsadaさんが、SPGアメックス効果であるマリオットゴールドのベネフィットとして、ラウンジを使えることを前提にルネッサンスリゾートオキナワに宿泊したそうです。
すると、以下のような理由で、ラウンジが使えない、ということを告げられたようです。
 

ルネッサンスリゾートオキナワのラウンジは、本来、上級会員が利用可能なクラブラウンジではない。
これまでは、フロアラウンジクラブラウンジの代用として、ホテルからの恩恵的な特典として上級会員に開放していた。
しかし、フロアラウンジの利用特典は、2018年2月で終了した。

 
 
事前に知っていれば、ルネッサンスリゾートオキナワを使わないであろうことは、誰の目にも明らかなので、sadaさんは困惑したそうです。
そして、マリオットに問い合わせるなどの行動に移したそうです。
 




 

 2. これを受けたtwitter上での反応

 
sadaさんの記事のとおり、twitter上では、色々な反応がありました。
 
sadaさんを擁護する意見としては、こんな感じですね。

①事前告知もなく、いきなりラウンジが利用できなくなるなんてひどい
②ラウンジを使えることを前提に予約したのだから、ラウンジを使わせてくれていいんじゃないの
③規約を変更すれば何をやってもいいのか

 
 
一方、sadaさんを批判する意見としては、こんな感じですね。

①そもそも、規約をきちんと見ていないのが悪い
②これまで恩恵的に使わせてくれていたに過ぎないのだから、それを批判するのは的外れ
③これにクレームを入れるなんて古事記もいいところ

 
 
ちなみに私の意見は以下のとおりです。

来たるべきときが来たか。(SPGアメックス特典の改悪の前兆)
しかし、ラウンジを使えることを前提にホテルを予約したのだから、事前告知なくラウンジを使えないとするのは、ちょっとやり過ぎだな。
日本式のやり方ではないな、さすが欧米資本のブランドだ。

 
ちなみに、wikipediaによると、ルネッサンスリゾートオキナワは、株式会社エイチピーデーコーポレーションという会社が運営しているみたいで、同じような扱いはルネッサンスリゾートナルトでもされているそうです。
なので、欧米資本と言い切れるかどうかは微妙なところです。
 




 

 3. ビジネス的にどうなの??

 
んで、これって、ビジネス的にどうなの?と思っちゃうわけです。
おそらく、この話がSPGアメックス保有者に浸透すると、「じゃ、日本のルネッサンスに宿泊するのはやめよう!」ということになるわけです。
そうすると、ルネッサンスリゾートオキナワとルネッサンスリゾートナルトの宿泊者数は激減すると思われます。
 
で、マリオット側がなんでこんな判断をしたかというと、これまで何回か記事にしたとおり、日本国内のマリオット系列ホテルのラウンジは(SPGアメックス保有者が原因で)どこに行っても大混雑で、ホテル側にとってはその追加負担がかなり重かったということが理由なんだと思います。
 
運営会社である株式会社エイチピーデーコーポレーションは、おそらく、追加負担が重かったので、宿泊者の減少というリスクを受け入れてでも、追加負担をなくそうと考えたのでしょう。
 
また、この決断をするためには、当然、運営会社とマリオット本部との折衝もあったと思われます。
マリオット本部としては、日本のSPGアメックス効果が売り上げ増に多大な貢献をしているという正の側面があること、そして、ホテル側に追加負担という負の側面が発生してしまっていることは当然認識しているでしょうから、運営会社である株式会社エイチピーデーコーポレーションの意見を取り入れ、今回の運営会社の判断を後押ししたのだと思います。
 
さらに、マリオット本部としては、SPGアメックス効果がどこまでなのかを見極めるという意味でも、ルネッサンスリゾートオキナワ等を通して判断することができるという、経営上のいわば試金石を置いたのだと思われます。
いまだ、マリオットとSPGの完全統合後の上級会員プログラムについては発表がありません。
その発表に備えて、SPGアメックス効果がどれぐらいなのかを判断する必要があったというのが、今回の「事件」の真相なのではないか、と私は考えています。
 
とはいえ、(仮にビジネスであったとしても)ホテルは、予約した時点でのベネフィットを受けられることを前提にくつろぐところです。
期待していたベネフィットが、告知もないルールの変更で受けられないのであれば、くつろぐ予定だったものが、不愉快なものに変わってしまいます。
少なくとも、ルールの変更前に予約を入れていた宿泊者については、ラウンジを使わせてあげるというのがビジネス的には妥当なところだったのではないか、と思っています。
(あえて「規約の変更」ではなく「ルールの変更」としました。理由は、最後まで読んでいただければ分かると思います。)




 

 4. 法律的にはどうなのか?

 
ただ、今回のことが法律的に許されるのか、ちょっと気になりました。
先ほど書いたとおり、sadaさんは、「ラウンジを使える」ことを前提にホテル予約をしているからです。
 
マリオットの規約が2018年3月に変わったことを前提としてしまいますが、気になっちゃいました。
(「規約」の該当箇所はこちらです。12.が前から入っていたのかどうかが現時点では明らかになっていません。)


んで、これって、保険とかにある約款と同じような感じなのかな、と思ったので、ちょっと調べてみました。

約款ってころころ変わりますが、いちいち、契約者のハンコとか、保険会社は貰っていないですよね。
保険会社のその時々の判断で変えちゃっているので、今回のマリオットの規約でも同じように考えることができるのか、と思ったわけです。

 
 
んで、どうやら、今は、約款についての法規制はないみたいです。
(だからといって、どんな変更でも許されるわけではないでしょうけど)




 
ところが、2020年4月1日から施行される改正民法では、約款について規定しています。
中途半端に引用すると誤解が生じるから、約款(正確には定型約款)の該当部分を全部コピペしときます。
 

(定型約款の合意)
第五百四十八条の二 定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。以下同じ。)を行うことの合意(次条において「定型取引合意」という。)をした者は、次に掲げる場合には、定型約款(定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体をいう。以下同じ。)の個別の条項についても合意をしたものとみなす。
一 定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき。
二 定型約款を準備した者(以下「定型約款準備者」という。)があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき。
2 前項の規定にかかわらず、同項の条項のうち、相手方の権利を制限し、又は相手方の義務を加重する条項であって、その定型取引の態様及びその実情並びに取引上の社会通念に照らして第一条第二項に規定する基本原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものについては、合意をしなかったものとみなす。

 

(定型約款の内容の表示)
第五百四十八条の三 定型取引を行い、又は行おうとする定型約款準備者は、定型取引合意の前又は定型取引合意の後相当の期間内に相手方から請求があった場合には、遅滞なく、相当な方法でその定型約款の内容を示さなければならない。ただし、定型約款準備者が既に相手方に対して定型約款を記載した書面を交付し、又はこれを記録した電磁的記録を提供していたときは、この限りでない。
2 定型約款準備者が定型取引合意の前において前項の請求を拒んだときは、前条の規定は、適用しない。ただし、一時的な通信障害が発生した場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。

 

(定型約款の変更)
第五百四十八条の四 定型約款準備者は、次に掲げる場合には、定型約款の変更をすることにより、変更後の定型約款の条項について合意があったものとみなし、個別に相手方と合意をすることなく契約の内容を変更することができる。
一 定型約款の変更が、相手方の一般の利益に適合するとき。
二 定型約款の変更が、契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、この条の規定により定型約款の変更をすることがある旨の定めの有無及びその内容その他の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき。
2 定型約款準備者は、前項の規定による定型約款の変更をするときは、その効力発生時期を定め、かつ、定型約款を変更する旨及び変更後の定型約款の内容並びにその効力発生時期をインターネットの利用その他の適切な方法により周知しなければならない。
3 第一項第二号の規定による定型約款の変更は、前項の効力発生時期が到来するまでに同項の規定による周知をしなければ、その効力を生じない。
4 第五百四十八条の二第二項の規定は、第一項の規定による定型約款の変更については、適用しない。

 
仮に、今回のマリオットの規約が改正後の民法の定型約款(上の赤字の部分)に該当するのであれば、改正民法の施行後なら、緑字青字の箇所で
アウトー!
ってなる可能性があるのでしょうね。
 
だけど、これが定型約款に該当するのか、と言われれば、どうなんでしょうね。
おそらくですけど、上級会員のベネフィットって、言わば、マリオットに認められた人だけの仲良しクラブあるいはお客様クラブみたいなもんなんですよね。
法律的に言えば、画一的であることが合理的ではない、という感じでしょうか。
仲良しクラブお客様クラブへの入会が認められた人にだけベネフィットを上げるよ、って感じですね。(だから画一的ではない。)
宿泊者側の権利ではないということです。
そうすると、仮に、今回のことが改正民法の施行後であったとしても、マリオットに軍配が上がるのかなぁ、と思っています。
(まぁ、実際には裁判でもやってみないと分からないのでしょうけどね。定型約款の範囲が分からん、みたいなことを書いているブログもありましたので。)
 
ということで、ビジネス的にも法律的にも、色々考えさせられた「事件」でした。
(マリオット擁護派の方々にとっては、事件ですらないのでしょうけど、、、)
 




 

 5. JGCやSFCへの影響は!?

 
んで、やっとJGCやSFCの話に行きます。
JGCやSFCも同じような仕組みなんですよね。
JALさんやANAさんに認められた人にだけ入会が許され、恩恵的なベネフィットを受けることができる制度だからです。
(JGCもSFCも審査があります。)
 
JGCやSFCもおそらく搭乗者側の権利ではなく、恩恵的な特典に過ぎないんですよね。
なので、JGCやSFCの特典が変更されたからと言って、そこについて何らかの(法的に)正当なクレームとかを出せる立場に、我々は置かれていないということです。
仮にクレームを出したとしても、搭乗禁止になるのは目に見えています。
今後、JGCやSFCのクレジットカードの保有による半永久的なステータス保持というのは、JGCやSFCの規約が定型約款に該当しない限り、JALさんやANAさんの自由ということになるわけです。
(当然、JALさんやANAさんもこの点についての検討はしているでしょう。)
 

 6. まとめ

 
ということで、今回の「事件」について思ったことを、思ったとおりに書かせていただきました。(長文になったことはご容赦下さい。)
仲良しクラブお客さまクラブに残りたいのであれば、マリオットなりJALさんやANAさんなりが定めるルールに従って、ある程度のルール変更(改悪)は受け止めなければいけないということです。
 
また、ホテルも飛行機もルールは頻繁に変わります。
インターネット上の情報を鵜呑みにしないで、きちんと自分の目と耳で確認する、ということが自己防衛のために必要なんでしょう。
 
さらに言うと、お得な制度(SPGアメックス効果、そして、その応用であるプラチナチャレンジ)は活きているうちに使っておくのが良いということです。


 
私が陸マイラーをはじめて、もうすぐ2年になりますが、その2年の間にも色々なことがありました。
この2年間、ホテルや飛行機と知恵比べをしているわけですが、この知恵比べは楽しくて仕方がありません。
ブログによる発信がそれをより一層面白くしてくれます。
制度の改悪も、また一つ知恵比べの材料をくれたと考えて楽しめばいいんです。
 
何事も、いつ改悪されてもいいように(心の)準備をしておくのがいいですね☆
皆様は、今回の「事件」についてどう思われましたでしょうか??